アフリカセミナーのご報告

JSPS拠点形成事業(アジア・アフリカ基盤形成型)主催
アフリカセミナーのご報告

6月30日(火)に本拠点形成事業主催でアフリカセミナー「ケニア国における稲作研究とJICAプロジェクトの紹介」が開催されました。

はじめに本事業の日本側コーディネーターの坂本先生から本事業の経緯・目的、S-1セミナーについて説明があり、2名の講師を招いたセミナーが行われました。

 

講演一題目は「ケニア稲作の現状と課題解決に向けた国際共同研究」と題して
名古屋大学農学国際教育協力研究センター・槇原先生によるケニアの稲作について、干ばつ、冷害、塩害、低肥沃土壌、いもち病などが問題となっているケニアの稲作の現状と課題解決に向けた取り組みについて講演して頂きました。

稲作を行っている地域の大半はアジア地域ですが、近年はアフリカでも稲作が盛んに行われるようになってきています。特にケニアでは1990年以降急激に消費量が増えてきていまが、その生産量は消費量には追いついていません。

槇原先生のグループはケニア農畜研究機構とケニアでの稲作改善を目指す国際共同研究に取り組んでいます。

ケニア国内には稲作可能地域が潜在的に存在していますが、稲作を可能とするには解決しなければいけない課題があります。

ケニアには栽培可能地域は潜在的には多く存在していますが、それぞれの地域において固有の環境があり、単一種による持続的な栽培は困難である状況です。これを克服するために地域に合わせた品種の開発「テーラーメード育種、栽培技術」に取り組まれていることを紹介して頂きました。

 

二題目は「 JICA専門家の仕事とは?-ケニアにおける市場志向型農業SHEP(小規模園芸農民組織強化計画プロジェクト)アプローチについて-」と題してJICA専門家の橋本先生によるSHEPアプローチと呼ばれる農家の経営を改善するための農業技術支援についての講演して頂きました。また橋本先生がこれまで行ってきたJICA専門家としてのミャンマーでの農業支援活動についても紹介して頂きました。

ケニアの主要産業は農業となっており、ケニア経済にとっても重要な産業となっています。この農業の大半が小規模農家です。この小規模農家の経営改善が産業の底上げには必須となってきます。これまでのJICAの取り組みは適正技術の確立が主な目的でしたが、SHEPは技術の継承だけでは中々定着しないという問題点を解決し、農家の持続的な発展に重きをおいた「農家経営を潤沢にするための活動」であるという紹介がありました。これまで行ってきた技術支援に加え、1)自分を知る、2)市場(買手)を知る、というこれまでのケニア農家には足りなかったことをあわせる事によって農家経営を改善する活動です。

これによりこれまでは5W1Hの技術支援活動から現在の自分の経営状況、市場のニーズを知るという観点が増え、もう一つのH−How much ? (いくらで)−という概念を農家に定着させ、それにより地域差はあるものの実際に所得が倍増することに成功したという紹介がありました。

 

本拠点形成事業も含め、単独で行う研究も重要ですが、協力し合い成果を高めることが出来る共同研究の大切さを再確認できるセミナーでした。

セミナー後は研修のため来日していたアフリカのJICA普及員の方々を交えBBQパーティーを開き、親睦を深めました。

 

岡山大学環境生命科学研究科 齊藤 邦行 教授による開会の挨拶齊藤先生_挨拶

 

岡山大学資源植物科学研究所 坂本 亘 教授による拠点形成事業(アジア・アフリカ学術基盤形成型)の説明、挨拶坂本先生_挨拶

 

名古屋大学農学国際協力研究センター 槇原 大悟准教授による、ケニア稲作の現状と課題解決に向けた取り組みについてのご紹介槙原先生_講演

 

JICA専門家 橋本 直樹氏による、JICAの活動及びSHEPアプローチについてのご紹介橋本先生_講演

 

懇親会懇親会